
角田笑香

プロフィール
2001年 福島県生まれ。
2024年 武蔵野美術大学 油絵学科油絵専攻 卒業。
2025年 武蔵野美術大学大学院 造形研究科修士課程美術専攻油絵コース 在籍。
神山財団芸術支援プログラム第11期生。
人の顔や身体をモチーフとして用いながら、それらを感情や物語を担う主体としてではなく、
画面を構成する一つの造形要素として扱う。
人の像が不可避的に生む物語性と、平面上の造形性との緊張関係に着目し、
絵画が何かを説明・表象するための道具に回収されない状態を目指して制作している。

アーティストを目指すようになったのは、どのような経験や思いがきっかけでしたか?
正直に言うと、「アーティストを目指そう」と強く意識した瞬間はなかったように思います。
私にとって、理解しきれない存在である絵画を少しでも理解するための手段が
「描く」という行為です。
そのため、アーティストであると同時に、研究職のような感覚で制作している部分もあります。
絵画について分からないことや知りたいことがまだまだ多くあり、
それがとても魅力的に見えてしまいます。
その問いたちが制作を続ける動機になっています。

影響を受けたものや、転機となった経験があれば教えてください。
ここ数年は、人物像と絵画空間の関係について考えながら制作しています。
絵画空間への関心は、美大受験の頃から続いていて、
当初は絵具という物質と空間の関係に意識が向いていました。
次第に、そこに描かれるモチーフの内容性や意味も
無視できないものとして考えるようになりました。
これは、具象画を描く人が多い武蔵美という環境の影響も大きいと思います。
絵画が自分語りの手段、自己探求の道具として使われていることへの強く違和感を感じ、
そのことへの反発が考えを深めるきっかけになりました。

作品に共通するテーマやコンセプトについて教えてください。
私の作品では、人物が存在する空間そのものや、
人物が絵画空間に与える影響について一貫して考えています。
絵画を何かの物語や感情の説明として使うのではなく、
画面の中で起こっている視覚的な関係や違和感を大切にしたいと考えています。
見る人が特定の解釈に導かれるというよりも、
立ち止まって画面と向き合い、
空間の中で何が起きているのか、
絵画空間とはなにか、
絵画とはなにかを
改めて認識する体験を作りたいと考えています。

作品のアイデアは、日常のどんな出来事や風景から生まれることが多いですか?
意識的に「絵の材料探し」をしないようにしています。
以前、これは絵になる、これはならない、という見方をしていた時期があり、
日常そのものが窮屈に感じられてしまったことがありました。
今は、特別な出来事よりも、
すれ違った人のマフラーの色や道路の割れ目の形が妙に記憶に残っていたり、
理由は分からないけれど引っかかる感覚から、
後になって絵につながることが多いです。
日常をちゃんと楽しむこと、絵から切り離された自分を大切にすることで
自然と絵にできる要素が自分の中に蓄積されると感じています。

今回、「tagboat Art Fair 2026」に出展される作品について教えてください。
今回出展する作品も、人物と絵画空間の関係を軸に制作しています。
明確な物語や状況説明を与えるというより、画面の中で人物がどのように存在しているのか、
その異物感やリズム、空間感を大切にしました。
色や構図も感情を直接表現するためではなく、空間として成立することを意識して選んでいます。
今までは室内風景を想定して構成している作品が多かったのですが、
今回は違う意識の作品も出展予定です。
展示の場で、実際の空間と作品がどう重なるかも楽しみにしています。
作品を見る人に、「これを感じてもらえたら嬉しい」というポイントを教えてください。
作品を見たときに、すぐに意味を理解しようとするのではなく、少し立ち止まって画面と向き合い、
絵画特有の空間感や絵画特有の面白さを感じてもらえたら嬉しいです。
人物と背景の関係や、どこか落ち着かない感じ、違和感のようなものを、
それぞれの感覚で受け取ってもらえればと思っています。
ただ、自分が制作時に考えていたことと鑑賞者の方が感じ取ることの間に、
ギャップやズレが生じること、それを知ることが
次の制作の課題やモチベーションにつながることも多いので、
そうした意味でも、構えずに自由に見ていただけたら嬉しいです。

今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
これからも絵画空間について考え続けていきたいですが、方法やアプローチは固定せず、
もう少し揺らぎを許した制作をしていきたいと考えています。
これまで積み重ねてきた考えを手放すことも含めて、新しい視点を取り入れながら、
絵画としての強度を更新していくことが今後の課題です。
4月24日(金)ー26日(日)開催:tagboat Art Fair 2026
現在、Tagboat Art Fairの無料招待券申し込み受付中!

「tagboat Art Fair 2026」
会期
2026年4月24日(金)ー26日(日)
詳細日時
・Preview -会場限定販売期間-
4/24 (fri) 16:00 – 20:00
・Public View -オンライン同時販売-
4/25 (sat) 11:00 – 19:00
4/26 (sun) 11:00 – 17:00
※3日間どなたでもご来場可能です
会場
東京都立産業業貿易センター浜松町館 展示場2階
〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
チケット代
1500 円(会期中再入場可能)
※現在、Tagboat Art Fairの無料招待券申し込み受付中!
※障害者手帳のご提示でご本人様、付添いの方1名まで無料
※学生証のご提示でご本人様無料
※小学生以下のお子様は無料